人間はかくのごとくにかなしくて
あとふりむけば物落ちている
山崎方代(歌人)の一首です。方代は「有用」を回避して多くの日常の歌を残した歌人と言われています。
さて、上記の歌の解釈ですが、人生を生きて来て、自分の過去を振り返る方代はどんな思いを詠んだのでしょうか。私は次のように解釈したいと思っています。
「人間の一生は思えば哀しい、切ないものである。いくらがんばって生きても、やはり振り返ると何か大きな落し物をしたような悔悟の念が残るものだ」と。
あの時、こんな生き方があったのではないか。もしそうしていたら、今の自分は、今とは違った人生を歩んでいたかも知れないと、過去を振り返り思うものです。自分の過去を振り返るということは、ただ楽しい思い出に浸ることではなく、結局は、自分がなし得なかったことを悔いることの方が多い。何か大切なものを落し物として残して来たような割り切れない気持ちになるものです。
老いを生きる身となって過ぎたことを悔やんではいけない、残された未来、いや、今この時をいかに自分なりに満足して生きるかが最も大事だと思っています。
「老いを創(はじ)める」と日野原重明さんは表現しています。老いを生きるとは老いの人生を創造することだと言っているのです。過去に生きるのでなく、新しい自分の生き方を果敢に模索することだと思います。
皆さんにも、もしあの時何々していたら、と仮定法過去完了で表現したい事が多々あることでしょう。高校を卒業して40年余りの同窓会、さぞかし楽しいお話で盛り上がることでしょう。そんな会に参加できることを誇りに思い、楽しみにしています。
別紙で、三重高校閉校式当日にあわせて私が英文に翻訳した母校三重高校の校歌を添付します。会で一緒に詠みたいと思っています。
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